
アモ「ねぇねぇ、ボクこの前『ビントロング』っていう動物の写真を見たんだけど…なんかクマみたいで、ネコみたいで、しっぽがすっごく長かったよ!」

チノ「そう、それがビントロング(Arctictis binturong)だね。別名“ベアキャット(Bearcat)”とも呼ばれるけど、実はクマでもネコでもなく、ジャコウネコ科の仲間なんだよ。」
1. ビントロングの特徴
- 学名:Arctictis binturong
- 分類:哺乳綱 ネコ目(食肉目)ジャコウネコ科
- 体長:60〜97cm(しっぽはさらに55〜90cm!)
- 体重:9〜20kg
- 毛色:黒〜濃い灰色、毛は長く粗い
- 特徴的な部分:長くて器用なしっぽ(つかむことができる「把握尾」)を持ち、木の枝をつかんでバランスを取る

アモ「しっぽでつかめるの!? まるでサルみたいだね!」

チノ「そうなんだ。哺乳類で把握尾を持つのは珍しく、ビントロングは木の上で生活するのにすごく役立てているよ。」
2. 分布と生息地
ビントロングは東南アジアに広く分布。インド北東部、バングラデシュ、ミャンマー、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピンなどの熱帯雨林で暮らしている。
彼らは樹上生活が得意で、地上に降りることは少ない。

アモ「じゃあ雨の多い森で、木の上から森を見渡してるんだね。」
3. 食べ物と生態
- 食性:雑食性
- 主な食べ物:果物(特にイチジク)、小動物、昆虫、卵、葉っぱ
- 役割:果物の種を遠くまで運び、森の再生に貢献している

チノ「ビントロングはイチジクが大好きで、その種を糞と一緒に森の中にまくから、“森の庭師”とも呼ばれるんだ。」

アモ「すごい!森を育てるお手伝いもしてるんだね。」
4. 不思議な匂い
ビントロングの体からはポップコーンのような甘い香りがすることで有名。
これは肛門腺から分泌される香り成分によるもので、縄張りを示すサインとして使われている。

アモ「えっ!? ポップコーン!? おいしそうな匂いでアピールするなんてユニーク!」
5. 人との関わりと保全状況
国際自然保護連合(IUCN)ではビントロングは**絶滅危惧種(Vulnerable)**に指定されている。
主な理由は…
- 森林伐採による生息地の減少
- 毛皮やペット目的での捕獲
- 食用としての狩猟

アモ「そんな…!森がなくなったら、ビントロングも困っちゃうよ…」

チノ「そう。だから東南アジア各国では保護活動や繁殖計画が進められているよ。動物園での飼育も盛んになってきていて、日本でも一部の動物園で会えるんだ。」
6. 日本で会える場所
- 東山動植物園(愛知県)
- 京都市動物園(京都府)
- 沖縄こどもの国(沖縄県)など

アモ「じゃあボク、日本でビントロングに会える動物園を探してみようかな!」
まとめ
- ビントロングはジャコウネコ科の珍しい哺乳類で、クマでもネコでもない
- 長い把握尾を使い、木の上で生活する
- ポップコーンの香りを持ち、縄張りを示す
- 森の再生に貢献する“森の庭師”
- 絶滅危惧種であり、保護活動が必要

アモ「今日もまた、珍しい動物のことを知れたよ!クマっぽくてネコっぽいけど、本当はジャコウネコ科なんだね。ポップコーンの匂い、ちょっと嗅いでみたいな…!」


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